セミナーレポート 〜Tencent Cloudとゲームソリューション〜

ネットランド で定期開催のクラウドソリューションセミナー。今回はTencent CloudについてTencent Japanから裘 彬濱(キュウ ヒンビン) 氏にご登壇いただきました。

2020.03.26 THU

セミナーレポート 〜Tencent Cloudとゲームソリューション〜

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今や法人のITインフラにおいて、必須の選択肢として様々な局面で急速に導入が進むクラウドサービス。ネットランドではクラウドサービスの導入メリットや、クラウドサービスの選定の際に役立てるクラウドソリューションセミナーを定期的に開催しています。

2019年10月9日に開催した第5回のクラウドソリューションセミナーではTencent Japanの裘 彬濱(キュウ ヒンビン) 氏にお越しいただき、『Tencent Cloudとゲームソリューション』という題名でTencent Cloudについてご講演いただきました。

Tencent Cloudは、中国でほとんどの人が利用しているWeChatやQQ等のソーシャルプラットフォームや、音楽、動画、ゲーム、広告等のデジタルコンテンツを配信しているTencentが提供するクラウドサービスです。
Tencentの大規模なユーザー・プラットフォームの利点を生かしながら、ITインフラ構築能力を統合して実現した、安全で信頼性が高く、高いパフォーマンスのパブリッククラウドサービスです。
今では世界中に25のリージョンと53のアベイラビリティゾーンのグローバルインフラストラクチャーを保有しています。(2020年10月時点)

2019年には日本でのクラウド事業参入を表明したTencent。今後の動向についてお話いただきました。(講師プロフィールはこちら)

参加者の声

  • 「グローバルプラットフォーマーのTencentがセキュリティを重視して手広く事業を展開していることが分かった。」

  • 「グローバルネットワークサービスはアリババよりも上をいっている気もします。すごいですね!」

  • 「リージョン間のグローバルネットワークも充実していることを知りました。」

  • 「Tencent Cloudがアリババクラウドと同等のサービスを提供していることがわかった。」

  • 「今後のサービス内容の拡大に期待しています」

当日のセミナーの様子

本セミナーの目次

1.Tencentの会社概要、事業などのご紹介 

2.Tencent Cloudの概要 

3.Tencent Cloudの強み(ゲーム・ビデオソーリューション等)のご紹介 

4.まとめ 

今回のセミナーの一部をご紹介いたします。

1.Tencent Cloud のプロダクト

Tencent Cloudは大きく、IaaS、PaaS、SaaSの3つに分かれています。
その中に、28個以上のカテゴリ、約200以上のプロダクトを持っています。
コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、データベース、モニタリング、セキュリティ等の基本的なカテゴリから、AI、ビッグデータ、ビデオ、ゲーム等のTencentらしいカテゴリも持っています。いくつかピックアップして説明させていただきます。

① コンピューティング

Cloud Virtual MachineというのがTencent Cloudの仮想サーバーになります。 仮想CPUとメモリの数によって様々なタイプの仮想サーバーがあります。機械学習やAIに使われるGPUサーバーももちろんございます。 CVM Dedicated Hostというものはちょっと特別なものになりまして、物理的なリソースを他のリソースと確立しているサーバーになります。ゲーム会社の方がこのプロダクトを愛用されています。サーバーリソースの利用状況に応じてサーバーの数を増やしたり減らしたりしているAuto scalling、バッチ処理用のプロダクトであるBatch Compute等もございます。

② ストレージ

ブロックストレージのCloud Block Storage、オブジェクトストレージのCloud Object Storage、ファイルストレージのCloud File Storage等があります。 これらのストレージに保存されているデータは複数箇所にコピーされていて、しかもこのコピーされている数を維持するような仕組みが裏で動いておりますので、どのプロダクトでも非常に高い耐久精度を持っています。データの損失の心配はありません。

③ ネットワーク

ロードバランサーであるNAT GatewayやVPN Server等があります。 Virtual Private Cloudというお客様専用の仮想ネットワークもございます(略してVPCと呼んでおります)。このVPC とVPC を繋ぐのがPeering Connection、イントラネット通信です。そして同一リージョンもしくは複数リージョンの間VPC のイントラネット通信であるCloud Connect Network。皆様とTencent Cloudを繋ぐ時はDirect Connectと言う専用線で繋ぎます。 Anycast Internet Accelarationは非常に面白いプロダクトになりまして、通常1つのIPがインターネット経由になりますけれども、このプロダクトを使えば一番ユーザーから近いTencentのポップまではインターネット通信になりまして、その後の通信はすべてイントラネットになります。

④ データベース

MySQL、PostgreSQL、MongoDB、WindowsのSQLサーバー、Redisはもちろん我々は提供しております。その他には弊社独自に開発したゲーム向けのTcaplusDB、ゲーム向けのデータベース、非バリュー型のデータベースも提供しております。

⑤ セキュリティ

データの暗号化を管理するKey Management Service、仮想サーバーのセキュリティを保護するHost Security、ウェブサイトを保護するWAF等がございます。 また、ゲーム向けのMobile Tencent Product、こちらはモバイルのセキュリティを保護するプロダクトになります。TencentのAIやビッグデータのテクノロジーを活用したセキュリティインシデントの予測・検知・表示をワンストップのITソリューションと提供するSecurity Situation Awarenessもございます。

⑥ ゲーム、ビデオ

Gaming Multimedia Engineと言うゲーム向けの音声ソリューションを提供するプロダクトがあります。これを使えば簡単にゲームの中でユーザーが通話できる機能を実装できます。 Mini Game Online Battle Engineは名前の通りバトルゲーム、回線ゲーム向けに開発されたものです。 例えばプレーヤーのルーム管理やオンラインで他のプレイヤーを自動的にアサインするという機能をもっています。ライブ配信システムに利用されるLive Video Broadcasting、リアルタイム通信に利用されるTencent Real-time Communication等もございます。 プロダクトの紹介はここまでに致しますが、皆様にお伝えしたいことは実は一つです。他のメガクラウドサービスプロバイダーが持っている機能は、Tencent Cloudも持っています、と言うことです。

2. Tencent Cloud の強み(ゲーム・ビデオソーリューション等)のご紹介

Tencent Cloudの強みは何だろうか?と皆様は思われていると思います。 Tencent Cloudの強みは...

全編を読むにはこちら>

講師プロフィール

裘 彬濱(キュウ ヒンビン)氏

Tencent Japan
クラウド&スマートインダストリーグループ
シニアソリューションアーキテクト

来日後11年間、データセンターでの作業から法人企業向けのアジャイル開発、コミュニティ及びセキュリティ管理統制まで、クラウドに関する豊富な経験を持つ。現在もTencent Japanのセールスエンジニアとして活躍中。



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