AIを味方に!業務の効率化と新たな活用方法

AIで人間の仕事がなくなる。最近よく聞く話題だが、本当にそうなるのだろうか?世間ではやや煽り気味に語られているが、この話題の元ネタとなった英大学の論文を読むと、「そうなる可能性がなくもない」ぐらいの書かれ方であった。 また、実際に仕事をAIで置き換えようとするときには、人間ひとりひとりが仕事で得ている経験値がデータ化されていないと、AIは動かない。実際には、人間では気づいていなかった仕事の経験値をAIが見つけ出し、人間の味方として仕事に使われて大きな成果を出している事例が増えている。

2019.08.20 TUE

AIを味方に!業務の効率化と新たな活用方法

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AIで仕事がなくなるのは本当か


最近のネットニュースやTV番組などで「AIが人間の仕事を奪う」、「将来なくなるxxの仕事」という紹介記事・番組をご覧になっている方も多いであろう。それらの情報は、はたして本当なのだろうか?人とAIが共存している未来を想像していたはずが、いつのまにかネガティブに捉えられてしまっていないだろうか。まるで人の生活がAIに乗っ取られてしまうかのようにも聞こえる。何を根拠にそのような主張をしているのだろうか。

「仕事がなくなる」の元ネタ論文、実は…


それらの紹介記事・ニュースの多くは、英オックスフォード大学でAI研究をしているマイケル・A・オズボーン准教授の論文『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』(原題:Frey and Osborne (2013) “The Future of Employment: How Susceptible are Jobs to Computerisation?“)を論拠として引用している。

この論文では、世の中にある702個の職業を、9つの特性(例:手先の器用さ、芸術性、交渉力など)で評価したデータを検証して、それぞれの特性が「どれだけコンピューターで制御可能か?」を判定している。その結果、コンピューターで制御できる可能性が70%以上であれば「将来なくなりそうな職業」としているのだ。

その元となった職業別の特性データは、アメリカ合衆国労働省が毎年発表している統計データである。ちなみに元のデータでは903個の職業が記載されており、そして9つの特性とは以下の通りだ。

  1. 手先の器用さ
  2. 体の器用さ
  3. 環境の複雑性への対応
  4. オリジナリティ
  5. 芸術性
  6. 社会性
  7. 交渉力
  8. 説得力
  9. 他者のケア



この評価軸を見ると、たとえば「4. オリジナリティ」や「5. 芸術性」などは、AIでは置き換えにくいことはすぐに想像できる。そう、AIには得意不得意があるのだ。

明日にも仕事がなくなることはない


この論文では、全体の約47%の職種においてタスクの70%以上をコンピューター制御に置き換えられる可能性があるとしている。そのまま読むと「半分以上の仕事がなくなる」ように見えるが、「可能性がある」とほのめかしているだけ。しかも実際にIT化しようとすればコストがかかるので、経済合理性が問われる上に、業界ごとにITの導入しやすさはまちまちなのである。

つまり、明日にも仕事がなくなってしまうわけではない、ということである。

世の中で言われる「AI」とは、より正確には「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術である。これをものすごく単純に言うと「人間では読みきれない or 覚えきれない、膨大な量のデータの中から、人間も気がつかないルールを見つけ出し、仕事でその知識を使う」ことができるという機能。

つまり、元となる仕事に役立つデータの蓄積が少ない上に、ルール化しにくい仕事をAI化しようとしても、そもそも無理なことである。というわけで、まだまだAIに仕事を任せようとしても簡単には行かないのだ。

とはいうものの、もしうまくAIを使えれば、競合他社を出し抜く強力な製品やサービスが可能となるかもしれない。そこで多くの企業がAIの可能性を求めて、自社の仕事のAI化を検討するに至った。

AIのおかげで人が足りなくなっている職業


AIを使おうとするときにもっとも重要な人は、象牙の塔にこもっているコンピューターサイエンティストではなく、それぞれの職種についてありとあらゆる経験・知識をもった熟練技能者だ。AIとて生まれたての赤ん坊のような状態では仕事ができない。仕事に関する膨大な経験値(データ)とそこから学んだ経験則(ルール)を知っている人がいなければ、AIは作れない。

またAIの知識の元となるデータを作るためには、データ分析や統計などの知識と経験が必要である。この職種はデータサイエンティストと呼ばれ、いま世の中に最も足りない人材と言われている。

コンピューターはホントに人の仕事を奪ったのか?


AIは人の仕事を奪う…誰が最初に言い出した言葉かはわからないが、産業革命以降は大きな技術革新があるたびに、似たような言説が流行した。いわく「コンピューターが仕事を奪う」、「ロボットが仕事を奪う」、 etc。

今となっては、これらの技術革新がもたらした生産性が、大きな雇用を生み出したことは紛れもない事実である。コンピューターが人の仕事を奪うからと言って、頑なに使わなかった人たちが実際にいたそうだが、AIがもたらす技術革新が新たな生産性の向上をもたらすことは確実だ。内燃機関が馬丁の仕事を奪うような一時的な雇用調整は起こるだろうが、それらは新技術が生み出す莫大な富に比べれば微々たる被害だろう。

AIは強い味方!実は人の仕事を助けている


次にAIが人の仕事を助けて、生産性を上げている事例を見てみよう。ご紹介するのは「AIタクシー」というサービスで、NHKスペシャルでも紹介されたことがある、AI活用の成功例として、とても有名なものだ。

このAIタクシーは、NTTドコモ、富士通テン(現デンソーテン)、東京無線タクシーが共同開発したAIで、報道資料によれば「人工知能を活用したドコモのリアルタイム移動需要予測技術で未来のタクシー乗車需要を予測するサービス」ということだ。

このサービスをものすごく単純に説明すると、「このあたりは今たくさん人がいるから、過去のデータに鑑みて、地図のこの赤丸の範囲でタクシーを待っている人がいるだろう」とドライバーにタブレットPCで教えてくれるサービス。

説明資料では「予測正解精度は92.9%」と言われており、この事例から言えることは、AIのおかげでタクシードライバーは効率よくお客さんを見つけることができ、お客さんは呼んでもいないのに待たずにタクシーに乗れて仕事の時間短縮ができる、ということになる。

熟練のタクシードライバーであれば、長年の勘や知識で集客率の良い場所が分かるかもしれないが、同じことを新人タクシードライバーがするのは難しいだろう。だがAIの力を借りることで新人でも誰でも効率よく営業することができる。また、土地勘のない地域でタクシーを運転していたとしても、その地域ごとの人の集まる穴場までも分かりやすい為、どんな場所においても柔軟に対応していけるだろう。このようにAIは様々な状況において誰の事でも助けてくれる。

他にもAIを活用した事例は多くある。

  • 商談の受注精度を上げる方法を教えてくれる(営業支援)
  • 故障や劣化の予兆を捉える(製造業支援)
  • マーケティングの費用対効果を上げる(マーケティング支援)
  • 発注の精度を高めて機会逸失、無駄な廃棄をなくす(流通支援)



AIに変わりやすいとされているのはルーティン業務だ。特に事務作業などのタスクの繰り返しは、プログラム化がしやすい。ルーティン業務であればほぼ自動化の対象になると考えられている。だがAIは魔法の箱ではない。なんでもできる訳ではないのだ。本来得意とするのはデータに基づいて計算し統計を出したり、リサーチや分析をすること。これには現状の仕事の経験値(データ)と経験則(ルール)が必要で、少ないデータから正しい判断を出すことは非常に困難である。

つまり、AIを使おうとするときには、何よりも現場の仕事に熟練し、統括をとることができる技能者がいなくてはならないのだ。0から1を作り出す事やリーダーシップ、コミュニケーションが必要な業務は、AIがいかほどに成長したとしても自動化される可能性が低いと言われている。自動化が進む現代だからこそ、人と人の心の通じたやりとりができるスキルがより重要度を増していくのだ。こうした経験値を持てることは人である私たちならではの強みである。それぞれの職場で、オリジナリティの高い仕事をしていれば、そうそうコンピューターに仕事を奪われることはないだろう。

実際にAIを使っている業界では新たな成功事例がどんどん生まれており、AIが人の仕事を奪うどころか、生産性を高めているのは紛れもない事実なのである。仕事の場から日常生活まで、AIは私たちを助け、生活を豊かにしてくれる。つまりはパートナーになってくれるのだ。人間にしかできない仕事を無理にAIに任せる必要は決してない。人とAIとで役割分担をし、お互いの得意分野を生かしていく道を考えていくことで、ビジネスの場においてのAIを有効活用し、共存していくことができるのではないかと思う。

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