便利!解決の小技(4) - 「“映える”資料づくり」3つのポイント -

資料作りの上で「資料のわかりやすさ」は重要な要素だ。そしてわかりやすさの要素のひとつがデザインと言えるだろう。今回はデザインの知識がなくとも、簡単に取り入れられる「“映える”資料づくり」のポイント3つを紹介する。

2019.10.03 THU

便利!解決の小技(4) - 「“映える”資料づくり」3つのポイント -

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資料を通して相手に何かを伝えたい。そんな時、構成やストーリーなど、伝えたい内容はもちろんのことだが、「資料のわかりやすさ」は重要な要素だ。そしてわかりやすさの要素のひとつが、デザインと言えるだろう。デザインの知識がなくとも、簡単に取り入れられる「“映える”資料づくり」のポイントを紹介しよう。

ポイント1.全体のレイアウトが整っているか


文章の読みやすさは、余白の取り方と並べ方を工夫して、レイアウト調整によって向上する。資料の全体的なバランスを見ながら、「デザインの4大原則」といわれる以下の点をチェックしよう。

1.【近接】関係のあるものが近くに配置されているか
人は位置的に近くにあるものを、直感でグループ化し、関係がある情報だと認識する習慣がある。例えばレストランのメニューで料理の写真の近くに、値段や内容についての説明が記載してあることで、その料理に関係する情報であるとわかるだろう。反対に、別の料理についての情報は場所を離して記載することで混在しなくなる。
つい余白を無駄と思い、詰めてしまう方はいないだろうか。これは境界が分かりづらくなってしまい、非常に見づらいレイアウトを作り出してしまう。関係する要素の余白とそうでない要素の余白とで違いをつけて配置することが重要になる。

2.【整列】整えて並べられているか
レイアウトで、上下の整列は「上揃え」「中央揃え」「下揃え」、左右の整列は「左揃え」「中央揃え」「右揃え」に分けられる。単語や文章など、デザインの中の要素を整列させることによって、どの項目が同じ関係にあるか、情報が整理されてまとまった印象を与えることができるようになる。
ビジネスにおいて普段から目にしている名刺では、名前と、その下の電話番号やメールアドレスの書き出しが同じ縦ラインに揃っていることが多くないだろうか。細かい部分ではあるが、段落の付け方を統一し、書き出しの位置を意識して配置することで全体的に統一感が生まれてぐっと見やすくなるだろう。

3.【対比】優先順位の違いなどが表現されているか
整列の原則は「揃える」ことだったが、対比の原則は「揃えない」ことで成立する。コントラストをはっきりさせるのである。文字なら大きさ・色・太さを変え、装飾なら背景色や枠をつける。例えば、新聞は見出しの文字が大きくしてあったり反転表示などをしていたりしてパッと目に入りやすい。各記事の要点が目立つようにしてあるので、沢山の情報の中から興味のある記事を見つけやすいようにできている。
このように、それぞれの要素の違いを目立たせることでデザイン全体にメリハリを付け、直感的に伝わるデザインを作ることができる。

4.【反復】ルールが繰り返し使われているか
近接の原則、整列の原則、対比の原則で作った要素を一定のルールで繰り返すことでさらに一貫性・統一性を持たせることができる。サイト全体で同じデザインのヘッダーやフッターを使用することで、どのページに行っても同じサイト内にいるということをユーザーに認識させる。さらに同じパターンを繰り返すことでリズムが生まれ視覚的に整った印象にすることができるのだ。

ポイント2.画像は効果的に配置できているか


アップル社を創業したスティーブ・ジョブズ氏のプレゼンを思い出してみてほしい。彼のプレゼン資料は最小限の文字と、大きめの写真やイラストで構成されている。それだけに画像は、理解促進、あるいは興味喚起をうながすための重要な役割を担っている。効果的な画像の配置について、具体的には、以下のような点に気を付けよう。

1.【配置】利用者に伝えたい情報が一目で分かる見た目になっているか

2.【工夫】色やアイコン、ラベルは伝わりやすく工夫できているか

3.【意図】アイコンや画像の意図伝わるか

4.【カラーリング】似た色を統一したり、複数色を使う場合は、意図を持って使い分けているか

5.【可読性】色のコントラストや文字の並びは、読みやすさが保たれているか

ポイント3.クオリティーが安定しているか


画像や文字を適切に配置したレイアウトによる情報の整理を行い、意図の伝わる表現ができたら、仕上げに各素材のクオリティーをチェックしていこう。

1.【解像度】解像度やアスペクト比が適切か
写真などの高精細な画像は細かいドットの集合で表されている。画像を拡大しすぎるとこのドットが元のサイズ(解像度)以上の大きさで表示されてしまう為、画像が荒くなったり、ぼやけて見えてしまう。シャープな画像を保つため、過剰な拡大は避けよう。
また、基本的に画像サイズの調整は「縮小…画像全体の縦・横幅を元のサイズより小さく変更する」と「トリミング…画像の一部分だけを取り出す」を使って行う。画像の縮小をするときに気をつけたいのがアスペクト比を崩さない事。アスペクト比とは、画像の縦横幅の比率を指す。この比率を崩して画像を歪めてしまうと、元の画像の印象が損なわれてしまう。画像のサイズ調整にはトリミングと縮小を組み合わせて使用することを意識しよう。

2.【適性】書体やフォント、色の選択が適切か
目的に応じた書体を利用することで、伝えたい内容をより的確に、わかりやすく伝えることができる。プレゼン資料でおすすめな書体は「ゴシック体」。縦と横のラインの幅がほぼ等しく、人が瞬時に認識しやすい書体であると言われている。
色は同系統から3色を選び、そこに目立たせたい部分に使う挿し色を1色足す程度がおすすめ。沢山の色を使いすぎてしまうと重要な点が目立たない上に統一感もなくなり、見づらさが出てしまうので注意が必要だ。

資料を“ギフト”と捉えるならば、包装に気を配るように、美しい資料に仕上げたいところだ。人は情報の90%近くを視覚に頼っているため、配置や配色のバランスが良い資料は自然と人の目を惹くことになる。大事な情報をしっかりと伝えることができ、分かりやすいデザインの“映える”資料を作るためにも、是非今回紹介したポイントを日頃の資料作成にも取り入れてみてほしい。

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