クラウドの基礎知識(2)‐クラウド導入のメリット-

前回の記事ではクラウドの始まりや、実際に私たちの周りでクラウド化されているサービスについて取り上げた。今回は企業がクラウドを取り入れることで業務にどの様なプラスの効果が生じるかを紹介する。

2020.01.30 THU

クラウドの基礎知識(2)‐クラウド導入のメリット-

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2025年の壁、DX問題などIT推進に関するNEWSをインターネット上で日々目にするが、そんな中でクラウド化を進める企業が増えているようだ。では、実際にクラウドを導入するとどのようなメリットがあるのだろうか。

■ハードへの非依存

期間借りのため、新しいシステムにいつでも切り替えることができる現在は、システムのプラットフォームが過渡期になっており、数年先のことも容易には推測できない。このような中でハードウェアを導入すると、その変化に追いつくことができなくなる。

■初期費用の低減

オンプレミス運用では、社内に自社サーバを置いてシステムの管理をする。この管理を行う際には多くの初期費用が発生する。サーバ本体や導入するOS、ソフトウエアの購入費用、情シスなど設定に関する専門家の人件費、さらにサーバの維持メンテナンス費用や、障害時の復旧対応、アップデートにかかる保守運用費用…。

しかしクラウドでは、オンプレミスのようなサーバの準備も必要ない。サービスは定額や従量課金で提供されている為、必要な時に必要なだけの料金を支払う方法での運用が可能だ。メンテナンスやアップデートも全て外部のサービス提供会社が行ってくれる。これにより初期費用をかなり抑えることが可能だ。総保有コストの削減、人的リソース、時間の捻出までもが叶うようになる。

■従量制によるコストコントロール

基本的に時間当たりの従量課金なので、使わないときの電源OFF等で、積極的にコストコントールできる。サーバータイプの場合は24時間前提だが、時間課金を基本とするクラウドシステムではコストを低減することが可能だ。

■最先端サービス・技術の利用が可能


クラウドでは柔軟にシステムを高機能化して市場環境の高速化に対応できる。
主要クラウドベンダーが提供している、最新のサービスを利用して進化している技術には以下のようなものがある。

■運用負担の軽減で会社の利益に貢献

オンプレミスでは情報システムの構築・運用・管理業務等の付帯的な業務が多かったが、クラウドではこれらの業務の負担が軽減される。人的・物的リソースを節約し、会社の利益に貢献する本来の業務に集中することができる。

■商機を逃がさない、速度と俊敏性

ビジネスの成功には素早さや俊敏性が必要不可欠。クラウド導入で新規立ち上げ、既存業務との連携時間の圧倒的な短縮が可能になる。クラウド側で用意されたインフラを利用できるためものの数分で設定は完了する。新規構築の時間が不要になる。APIを利用することで既存業務(アプリケーション)同士で連携することもできる。コラボレーションを加速し、商機判断も加速化しよう

■即時・即行のグローバル展開

ビジネスのグローバル展開にはクラウドの強みが活かせる。海外にIT担当者を置く必要がないため、迅速なスタートを切ることができる。世界の事務所の動きをリアルタイムで集約し可視化することで業務プロセスの進化が見込める。さらに分散している海外拠点のシステムを整理・統合して拠点の整理を行い、グローバル市場での事業をより大きく早く展開させていけるだろう。

■耐障害性の高さ

ディスクの物理的な障害をほぼ無視できる誤操作などを考えるとデータのバックアップは必要だが、ディスクのトラブルはハードディスクに比べてかなり低く(1/10程度に削減)、データの損失等のリスクを減らすことができまる。


このように、クラウドを導入することで得られる様々なメリットがあることは明確だ。複雑な課題が企業を取り巻く環境である現代において、クラウドがその多くを解決できることがある。導入することで企業に安心とプラスの効果をもたらす価値があるといえるだろう。

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